経営戦略
「ゆっくり急ぐ」仕事のしかた
古代ローマの皇帝・アウグストゥスが言っているように、「ゆっくり急げ」が仕事のコツである。むやみにあせったところでしごとがはかどる事はない。
仕事は丁寧にすべきだが、何一つ欠ける事がなく、完璧になしとげなければならない、などとは思わないこと。そんなことは誰だって不可能だ。
自分の得意な部分をできるだけ完全に仕上げるように。より大きな分野を扱う場合なら、その中でも、本質にふれる部分や核になる部分をしっかりカバーすることに力を注ぐようにすればいい。
多くを望むものは、結局、小さなものしか得られない。これは仕事に就いてもあてはまる考えだ。
自分の人生に一番いい結果を出す幸福術
ヒルティ 齋藤孝 訳・解説/三笠書房より抜粋
顧客ニーズはどうやって掴むか?
前回の「なぜ、対象を絞らなければならないのですか?」に続き、
同じ本から「顧客ニーズはどうやって掴むか?」の箇所をご紹介します。
それでは、顧客のニーズはどうやって掴むのだろうか。表面的な調査で出てこない事は言うまでもない。顧客論理の競争が激しい業界では、いまさらニーズを聞いても無駄かもしれないし、顧客自身が自分のニーズを聞かれてもわからないことが多い。したがって、顧客が心の奥底に抱えている潜在ニーズを探せと言う話になる。そのために顧客の行動をつぶさに観察したり、顧客の人生や将来を考えて、「これがニーズに違いない」とゆう仮説を立て、検証する。顧客の本当のニーズをどう探すのかは、常にマーケティングにおける最大のテーマである。顧客の本当の姿を理解する努力と工夫が大切である。
〜中略〜
マーケティングという仕事は、それほど格好良くはないと思う。むしろ格好悪い仕事だと思う。汗をかかないと顧客はわからないからだ。〜中略〜あとは顧客を理解しようとする好奇心が全てだと私は思う。そのために勉強するのは、もはやマーケティングの教科書ではない。歴史、心理、科学、政治、経済・・・顧客=人間の意識、行動に関わる全ての分野が勉強の対象になる。そうした視点なしには、イノベーションは起こせない。
顧客を理解しようとする好奇心が全て
美容室で1万円のパーマのお客様はサロンの何にいくら払っているの?
あなたのサロンはメニューの料金をどのように決めていますか?
相場をみて?材料費から計算?時間で計算?人件費は?
何が良くて何が悪いという話ではありません。
ひと口に美容室でパーマをかけると言っても、
ただ単にお店に来たお客様に施術をするというだけではありません。
その内容は複雑です。
過不足はあるかもしれませんが要素を分解するとだいたい以下のように考えられます。
・【技術】技術ができなければ商売にはなりませんが習得は簡単ではありません
・【接客】人柄、おもてなし、癒しなど
・【店内サービス】お茶、雑誌、香り、BGM、DVD、Wi-Fiなど
・【ハード】お店の外観、内装、駐車場、インテリアなど
・【店外サービス】わかりやすいHP、SNS情報発信、予約しやすい、フリーダイヤル、アフターフォローなど
パーマをかけるというと技術だけが想い浮かぶかもしれませんが、
お客様から見たら技術だけにお金を払っているという意識は低いでしょう。
美容室がWEB予約システムを導入する前に必要なこと
思うような客数が来ない美容室。
お客様に来店していただくためにどんなことをすればよいのでしょうか?
・WEB予約システム導入?
・折込チラシ?
・フリーマガジン?
・クーポン券を配る?
・コンサルティングを頼む?
・セミナーに参加する?
・情報商材を購入する?
・ホームページをリニューアルする?
上げたものはどれも戦術(手段)です。
ソレが悪いわけではありませんが、
戦術とは戦略を実施するのための具体的な作戦です。
なので戦略(どうやって戦って勝つか)が無いのに
戦術ばかり考えていても仕方がありません。
美容室が成長するために減らすべきものとは?
「一利を興すは一害を除くにしかず、一事を生かすは一事を減らすにしかず」耶律楚材(やりつそざい)
利益を出そうと一つのことを新しく始めるよりも、
一つの悪い事(意味の無い事や無駄な事)を取り除く方がよい。という意味です。
私達はもっと売上げや利益、
または集客を伸ばそうとか、
お店を大きくしていこうとか成長させる事を考える時
どうしても現状からの上積みで物事を考えてしまいがちです。
でもよく考えてみて下さい。
過去に同じような事をやってうまくいかなかった経験はありませんか?
流行に乗って無理して導入したシステムが足かせになっては今せんか?
どんなサロンでも一つや二つはあるのではないでしょうか?
行動力があるのは良い事ですが、
増やすだけでなく減らす事にもその力を使う事を考えてみて下さい。
例えばこのように考えてみると・・・