マーケティング
あなたの美容室の顧客は誰?どんな理由で来店しますか?
「それ良く言われるんだけどさ、ここは田舎だからそんなことしたら誰も来なくなっちゃうよ」
「そうですか、ではどうやってお客様を呼びましょうか?」
「いろいろやってはいるんだけどね・・・なかなか結果が出なくて、どうしたものかと思って・・・」
「どんなことをやっていらっしゃいますか?」
「他でもやっているようなことは大体やってるよ、紹介割引や新規割引にタイムサービス。○ットペッパーにも、地元の口コミサイトにも乗せてるし。たまにポスティングもやるよ。」
・・・先日訪問した美容室で最近売上げが芳しくないというので、サービスの対象を絞った方が良いのではとお話しした時の会話の一部です。やるにはやっていても何の戦略もないまま、ただやっているだけという感じです。これではお客様が来てくれなくても仕方がありませんね。やっていることは同じでも対象者を絞っているかどうかで結果が全く違ってきます。
対象者を絞らないプロモーションは注目されない
やはりどんなお客様に何をしに来て欲しいかを「オーナー自身が」明確にすることが第一です。それがわかっているからこそ何をどれくらいやれば良いのかということも見えてきます。何も決めないまま進むのはスイカ割りでスイカの位置がわからないのでやたらに棒を振り回すような行為です。絞ると言っても、
・女性(男性)
・20〜40代の人
・栃木県の人
・・・などは対象が大きすぎて絞ったことにはなりません。ですが、これならどうでしょう?
「28歳以上の独身の女性ですぐにでも結婚したいと思っている方は聞いてください」
「偏頭痛で何をやっても効果がなかったとお悩みの方は注目してください」
「早起きにチャレンジするけれど何回やっても習慣化できない方に朗報です」・・・なら。
確かに当てはまる人の数は少ないかもしれません。当てはまる人が多いと何となく対象が増えてお店に来てくれる人も増えるのではないかという気がしてしまいますが、大きな間違いです。そんなことで繁盛するなら誰も苦労はしません。逆なのです。対象を絞れば絞るほど数少ない当てはまる人は「私のためにあるようなサービス(商品)だ」と感じて、数ある中からあなたのサービス(商品)に注目し、サイトを訪問したりメールや電話で問合せをしてくれます。間口を広げれば広げるほど、お客様に取っては「他の店と一緒」の存在になるので、わざわざあなたのお店を選びません。あなたのお店を選ぶ理由がないのです。
「誰にでも当てはまる」=「誰にとっても特別な価値はない」
どうでしょう?膨大な選択肢の中から人がものやサービスを買うということは「その店のものやサービスが一番良いと思うから買う(選ぶ)」あなたの商品やサービスが他社より魅力的である必要があります。では、誰が見ても魅力的なものやサービスなんてあるのでしょうか?
・ダイソンの掃除機は「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」でとてもキレイに掃除が出来そうです。ただし、ドリルのような高いモーター音がするのでそのような音を嫌う人には向きませんし、玄関先をちょっとだけ掃くなら放棄とちりとりの方が手っ取り早いということもあります。
・100円ショップを私も良く利用します。日常生活の中であれがないこれがないというものはほとんどまかなえてしまう便利なお店です。しかし、100円ショップでとってもお世話になっている人への誕生日プレゼントは買いませんし、かわいい甥っ子の入学のお祝いも買いません。
・牛丼の吉野家。うまい、安い、早いサラリーマンの味方。ランチどきには行列ができます。しかし、吉野家でこどもの誕生日パーティーはやりません。結婚記念日のディナーなど大切な日の食事には使いませんよね。ダイソンの掃除機も100円ショップも牛丼の吉野家もそれぞれ素晴らしい商品やお店ではありますが、誰にとってもいつでも利用したい魅力的なものやサービスとはなりません。逆に言うとそれらは対象を絞っているからこそ売れているのです。
・ダイソンの掃除機は多少の騒音はあっても速く簡単に手間をかけず掃除をしたい人に(したい時)
・100円ショップは品質やスタイルよりも高い経済性を重視する人(する時)
・牛丼の吉野家は忙しいのでさっとボリュームがあって安いものを食べたい人(食べたい時)
お店全体的に顧客は誰かと対象を絞れるとやることも明確になってきますが、やはりまだ絞るのは難しいという場合は、メニューやサービスごと対象を絞っておすすめの仕方やプロモーションの方法など考えて提供してみてはいかがでしょう?それを繰り返すことによって次第に商売も上手になってゆきます。
この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます
この記事が少しでもお役にたちましたら、はてなブックマークやツイッター等で共有していただけると、たいへん励みになります。
【美容室の「できるスタッフ」を育成する講座】