マーケティング

晴れの日だって傘は売れる

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晴れの日だって傘は売れる
もうすぐ梅雨の季節です。
一年間で売れる傘の本数はどれくらいだと思いますか?
約1億1100万本(2013年)で、
そのうち17%は「ウォーターフロント」という会社の傘だそうです。
本数にするとだいたい1870万本!
凄いですね。
この会社は使い捨てのビニール傘と同等の値段(500円)で
ファッション性の高いカラーバリエーション豊富な傘を販売し、
急成長しました。その秘密は・・・

500円の高品質折り畳み傘

500円の傘と聞いてもたいして驚きはしませんが、
500円の折り畳み傘なら「安い!」と思いませんんか?
この価格設定は当時のタクシーの初乗りが600円だったので、
それよりも安い折り畳み傘を作りたいという思いからの価格設定でした。
500円という値段にもかかわらず、
例えばメッキ加工は1万円の傘と同じ工程で施されるので、
剥げにくく錆びにくい。
モノが良いので5年も6年も使っていると言うお客様もいるといいます。

見ているだけで楽しく、2本・3本と買っていく

会社の直営店はまるでブテックか高級な本屋さんのような雰囲気です。
用事がなくても行きたくなってしまいます。
http://www.water-front.co.jp/shop/
普通の傘売り場では少種類の売れ筋の色だけを置いているので、
売り場も地味になり購入意欲もそそられませんが、
このお店にはカラフルな傘がたくさん並んでいるので、
見ているだけで楽しくなって、
1本だけではなく2本・3本と買っていく人が多く、
あまり売れなかった色も売れ、
全体の売上も上がるといいます。

またこの会社がつくる傘は
贈り物としての新しいニーズを引き起こしました。
正月のお年賀として。
バレンタインデーにチョコと傘をセットで。
名前入りの傘を結婚式の引き出物として。
企業のノベルティグッズとしてetc・・・
「より品質の良いものをできるだけ安く」
という信念のもとに研究開発を始め苦労に苦労を重ね、
低価格なのに高品質で豊富なカラーとデザインが実現できたからこそ、
メーカー側が思ってもないような使い方を
お客様がしてくれたといいます。

小さなお店には大掛かりな開発は難しいかもしれませんが、
1つでも2つでも「お客様に喜んでもらうために」という想いを
行動に移すことが大きな一歩になるのではないかと考えました。

参考/『晴れの日に、傘を売る。』
支持率ナンバーワンの傘を生んだ「良品薄利」の経営
林 秀信 著 阪急コミュニケーションス

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2015-06-06 | Posted in マーケティングNo Comments » 

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