読書
何が幸いするかわからない〜商売の本道を歩み逆風スタートからの成功〜
人口27,000人、3人に1人が65歳以上の高齢者とうい過疎が進むまち
鹿児島県阿久根市に24時間営業の大型スーパー「A-Zあくね」があります。
出展の許可が下りるまで11年もかかり、
どうせお客さんなんか来ないと
開店を目前にして銀行から融資を断られるなど、
大変な逆風の中でスタートしました。
またスタッフを募集しても経験者の応募はなく、
定年退職者や農閑期の農家の人、
主婦、地元の学校の新卒者など
未経験者ばかりの素人集団での立ち上げとなりました。
しかしその事が幸いし、
いまでは一日に平均17,000人来店し、
年商100億円を超える大繁盛店に成長しました。
利益第二主義
A-Zでは、店に都合の良い効率的なオペレーションは
あえてしていません。
効率が良くて喜ぶのは売り手側だけだからです。
売り手に都合良く考えるより、
お客様に貢献するという信念で、
お客様の利便性を第一に考える。
利益は二の次だといいます。
わらじやふんどし梅を干すために使うざるなど
年に数個しか売れない商品も
必要とするお客様のために売り場にあります。
単品の商品で見たらとても効率は悪いのですが、
そのために徹底的に店の運営コスト削減を追求して、
日々の生活に必要なものは全部置くようにしています。
それと同時に売価を安くする工夫もしています。
運営コスト削減のために
世間並みの人件費を払いつつ
お客様の利便性を高める為の工夫は
いくつもありますが、
驚くのは従業員の担当売り場の広さです。
通常のスーパーの3〜4倍の売り場を一人で担当することで
人件費を抑えています。
また特売もせずチラシは年に3回だけ、
と広告費も抑えています。
一般的な小売店と同じやり方をしていたら
とても成功していたとは思えませんが、
「自分たちの利益よりお客様の役に立ちたい」
という一貫した経営哲学があり
それを実現するために考えられたやり方を
実践し続けた事で大成長を遂げました。
人間万事塞翁が馬の話がありますが、
スタート時の逆風が幸いし成功した好例です。
幸いしたと言っても
何もせずたまたまそうなった訳ではなく
まっすぐに商売の本道を歩いてきた結果がこのような業績になったのです。
常にお客様の利益を優先する事が
この不況を乗り切る最も確実な方法なのかも知れません。
参考・・・利益第二主義―過疎地の巨大スーパー「A-Z」の成功哲学/牧尾英二 (著) ダイヤモンド社
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