マーケティング

「ターゲットを絞れ」と言われるけど、どう絞ったら良いのかわからない人へ

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「ターゲットを絞れ」と言われるけど、どう絞ったら良いのかわからない人へ
「よくターゲットを絞れと言われるけど、どう絞ったら良いのかわからないんです。
いろいろなお客様が来ていますから、絞ってしまったらその対象外の方は
もうやらないというわけにはいかないでしょ?」
先日お客様と話していて
「対象はどんなお客様ですか?」と聞いたとき返ってきた言葉です。
何かのプロモーションをしたい場合、
対象が漠然としているとどんなグラフィックやコピーにするか、
媒体は何を使えばいいかなど決められないので、
方向性を決めるために対象を絞ります。
目的はあくまで多くのお客様に来てもらうためなので、
もちろん対象外の方はやらないということではありません。
対象外の方も今まで通り喜んでもらえるようにやります。
では具体的にどのようにターゲットを絞ったら良いのでしょうか?

ターゲットを絞るためのマジッククエスチョン

この話になったとき必ず伺う事があります。
それは
「あなたの扱っている商品やサービスで一番喜んでいるのはどんな人ですか?(具体的な一人を思い浮かべてみる)」
「喜んでいる理由はなぜですか?」
という質問です。
例えば縮毛矯正を施術してとても喜んでくれた人がいたとします。
その人は来店が3回目で初回はカットのみ、2回目はカラーとカット。
3回目に縮毛矯正を施術しました。
なぜそんなに喜んでくれていたのか聞くと「いままで他の美容室で何度も縮毛矯正をやったけど、こんなに短時間でやってもらえた事はありませんでした。腰が悪いので長時間座っているのがつらいんです。今日は覚悟してきたけど、早く終わらせてもらって本当に良かった」と…
人にはいろいろな事情があります。
中には「そんなことで!?」とこちらがまったく考えつかない事情を持った方もいます。
そのなかでこのような例を見つけられたとしたらラッキーです。
労働災害の事例を科学的に研究した米国の技師ハインリッヒの法則では
「1件の重大事故(ミス・災害・製品不良・サービス不良・クレーム)の裏には、29件の軽度の事故があり、その裏には300件の、当事者だけは知っているひやっとしたことが起こっている。」と言われています。
表面化しているのは300人の中の1人だという事です。
この場合は事故ではありません。
しかし潜在的なお客様の心の声を突きとめるのは一緒です。
「腰が悪くてつらい」という方はそう多くないかもしれませんが、
単に座っているだけでも「長時間座っているのはつらい」
と思っている方はかなりの数いるのではないでしょうか?
その状況で言葉には出さないけれど短時間で終わらせてもらって
嬉しいと感じている方もまた多いと考えられます。

対象を絞ることでどこにどれだけ経営資源を注げばよいか見えてくる

ゆっくり時間をかけてやった場合と仕上がりに大差ないというのは言わずもがなですが、
縮毛矯正を他店より短時間で終わらせる事ができるのは大きな特徴で
差別化も出来る武器になります。
なので口頭で説明するだけでなくしっかりメニュー化して提案します。
そしてその早いという点を強調したプロモーションをしていきます。
内部ではさらなる強化策として腰や背中への負担を軽減する椅子にする
など工夫を凝らす事でつらさをさらに軽減させたり、
Wifiタブレットを貸出してネットを使ってもらったり
配信で好きなDVDを鑑賞してもらうことも考えられます。
また美味しいお茶やスイーツのサービスなど、
時間を長く感じさせないようにするという取り組みをプラスしても良いかもしれません。
時間を短縮して欲しいという希望を持っている方は
結果が同程度なら体への負担が軽い方を選びます。
ちょっとくらい料金が高くてもそのほうが良いという方もいるでしょう。
横一線の技術をもったなかで料金のみで競争するのは自分たちがつらくなるだけです。
○○だったらもっとお金を出しても良いという方も必ずいます。
その「○○だったら」は自分の店では何にあたるのか?
それが見つかれば苦しい競争から抜け出せるかもしれません。
そのための第一歩としてまずまお客様の心の声に良く耳を傾けてみましょう。

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2016-07-09 | Posted in マーケティングNo Comments » 

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