美容室経営

後輩美容師から「仕事」と「作業」の違いを聞かれたらどう説明しますか?

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後輩美容師から「仕事」と「作業」の違いを聞かれたらどう説明しますか?
毎日お仕事ご苦労さまです。あなたの仕事は何でしょう?お客様の髪を切ること?お客様の髪にパーマを掛けること?お客様の髪にヘアカラーをすること?それって作業じゃないのでしょうか?作業ではレベルが低いということではありません。高レベルなことですし、仕事を実現するためにはきっちり作業をしなければなりません。作業をきっちりこなすだけでも大変な練習や経験は必須です。知識も必要です。とても大切なことです。ただ、本当にその作業技術さえあれば仕事が全てうまくいくでしょうか?熟練させるだけなら時間をかけさえすればある程度の人は出来るようになります。またこの先100年もしないうちにロボットが出来る様になるかもしれません。

仕事は誰かに価値を届けること

では「仕事」と「作業」の違いって何でしょう?それは、「やった結果によって誰かに価値を届けられるかどうか」です。作業スピードが早かったり正確にできたりすると「仕事」をした気になりますが、それだけで価値は生み出せません。価値を出すためにはどうしたら良いでしょう?それはご来店いただいたお客様に対し「何で髪を切りたいのか?」「何でヘアカラーの色を変えたいのか?」「何のために自分たちのサロンに来てくれたのか」など、その理由や目的を把握し、どうすれば喜んでもらえるかと考え工夫することで価値が出ます。簡単に言えば理解することと想像することです。その考えたことを上手く表現できるかどうかは作業力にかかっています。

カリスマがいる美容室はスタープレーヤーがカットだけをして、パーマやカラーはアシスタントに指示をして作業してもらっています。アシスタントにやってもらうことが悪いわけではありません。その結果お客様が喜んでくれる(価値を届けられる)ような仕上がりになれば良い仕事です。しかし、指示が不十分だったり技術不足のアシスタントにやらせてお客様を喜ばせることができない(価値を届けられない)ならば、良い仕事とは言えません。極端に言えばお客さに一切手を触れなくてもディレクションだけして、あとは全部人にやらせても最終的に価値を届けられるなら、それは立派な仕事ということです。

仕事=理解+想像+表現(作業力)

某有名カメラマンはセッティングは全部アシスタントにやらせて本人はシャッターを押すだけ。某有名マンガ家は99%アシスタントに描かせて本人は最後に人物の黒目を描くだけ。など嘘か本当かわからない伝説がありますが、それでもやはりそれぞれの人物が「何のために何をどう撮るか」、「どういう理由で何をどう描くか」という指示をして、全て納得行く状態になったら最後の仕上げをするということだと思います。
美容師さんで言えばお客様の髪を切ることやお客様の髪にパーマを掛けること、お客様の髪にヘアカラーをすることは喜んでいただくための手段であって、目的ではないということがお解りいただけたでしょうか。場合によっては「カットしたい」と言って来店したお客様でも、理由を聞いて切らないほうが良いと判断したら、伸ばす途中のアレンジや楽しみ方を教えてトリートメントだけで帰す。ということもあるかもしれません。また来店時にはその気はなくてもお客様の満足を考えるとパーマをかけたほうが良いと判断したら、ご提案する。それを受け入れてもらって喜んでもらえたら価値のあることです。手段が目的になってしまうのは危険なことです。素直で一生懸命な人ほどその罠に陥りやすいので、注意が必要です。どんなに早く正確に作業できても、そもそもの考え方の方向が間違っていたらそれには価値はありません。対象に満足してもらうために、どうするべきか考え知恵を絞りだし、表現ことこそが仕事です。コレという正解がないことだからこそ、その全てが上手くいった時に「価値」を届けることが出来るのではないでしょうか?

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2017-02-18 | Posted in 美容室経営No Comments » 

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