先月の奄美市豪雨災害の時、
あるボランティアが真っ先に救援に駆けつけたところ、
現地で受け入れられなかった。という話を聞きました。
一体なぜでしょう?
その時は災害直後で、プライバシーのない場所への避難を強いられ、
明日どうなるのかもわからず不安で夜も眠れない、
心身ともに弱っています。
道路やライフラインも寸断され、
避難している人達の飲み水や食糧さえ不足していました。
そんな状況の中、外から人が押し寄せたらたらどうなるか想像がつきます。
受け入れられなかったと言うのも仕方がないでしょう。
ボランティアする側は食料や飲料、
現地での宿などは各自で確保するのが基本だそうです。
現地の災害センターや役場は復旧活動に多忙なため、
ボランティアの人の宿や食事の世話まで手が回らないからです。
せっかく、災害にあった人を助けたいという立派な気持ちを持って現地に行っても、
相手側の状況を考慮せずに行動してしまうと、喜んでもらえないばかりか、
迷惑をかける事にもなってしまいます。
物資や宿泊施設が充分にある状態だったら、
もしくは、違う現場だったら歓迎されたかも知れません。
刻々と変化する状況の中では、タイミングもとても重要な要素になります。
良い事をしているだけに非常にもったいないですね。
この話を聞いてどんな感想を持ちましたか?
「ボランティアするのも大変だな〜」と感じた方も多いと思います。
しかし、このように相手の「現実」「欲求」をわからずに、
勝手な思い込みで行動して上手くいかなかったという出来事は、
私達の身近なところでも頻繁におこっているのではないかと思いました。
もちろん、先ほどのボランティアの例のように大きな出来事ではなくても、例えば、
「誕生日に以前欲しがっていたものをプレゼントしたら、今はもう興味が無くなっていた」、
「失礼のないようにと約束の10分前に訪問したら、取り込み中で返って迷惑をかけた」、
「お客様にケーキを出したらダイエット中だった」etc・・・、
気を利かせてやっている事だけに、残念な失敗です。
小さいことかも知れませんが、
これらの失敗は事前のリサーチで回避できる可能性も高いでしょう。
どうせやるならちょっとひと手間掛けて、
相手の「現実」「欲求」を、そして何に「価値」を感じてくれるのかを
把握してから行動できたら、とても喜んでもらえると思います。
この事は、商売に置き換えても同じ事が言えると思います。
そのような考えを持っているかいないかは、
積み重なっていくと、とても大きな差になっていきます。
簡単な事ではありませんが、
出来るだけ情報を収集し、
求められているものを推し量り、
可能であれば直接聞いて、
喜んでもらえるように行動したいものですね。
奄美市豪雨災害義援金について
http://www.city.amami.lg.jp/gienkin.asp